《くらしと健康を守る権利要求の10の原則≫ 
                                    
                                       
                                        | 1.働く権利 | 
                                       
                                       
                                        高齢者や障害者、女性、出稼ぎ農民をふくめて誰もが、希望と条件、体力にあわせて働く権利があります。 
                                          
                                             
                                              | (1) | 
                                               
                                                 内職やパートをふくめ、人間らしい生活ができる全国一律の最低賃金制や農業、漁業の価格保障制度が確立されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (2) | 
                                               
                                                 働く意志のあるすべての人に、所得保障を伴う職業訓練の確保、不況などによる大企業の首切りは規制され、失業者には、その期間、十分な失業給付が制限なしに給付されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (3) | 
                                               
                                                 すべての人びとに、安全で健康に働ける労働条件や、育児、介護・看護には賃金・所得保障を伴う休暇が保障されなければなりません。 
                                                 
                                               | 
                                             
                                           
                                         | 
                                       
                                     
                                   | 
                                
                                 
                                  |  
                                    
                                   | 
                                
                                 
                                   
                                    
                                       
                                        | 2.生活費保障の権利 | 
                                       
                                       
                                        年金や生活保護、児童手当、児童扶養手当などの家族手当の所得保障は、冠婚葬祭をはじめ社会的なつきあいや、家族での文化・レクリエーション・スポーツをふくめ、健康で文化的な生活がおくれる水準で必要なすべての人びとに請求する権利と受ける権利があります。 
                                           
                                          
                                             
                                              | (1) | 
                                               
                                                 各給付額は毎年、物価や賃金の上昇率にスライドして、引き上げられなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (2) | 
                                               
                                                 各制度ごとに次の原則を確立すること。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                           
                                          
                                             
                                               | 
                                              〈1〉 | 
                                              年金は保険料を納められない人を含めて、生活できる最低年金が保障・確立されなければなりません。 | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                              〈2〉 | 
                                              生活保護の行政は、自由と人権を保障するように行わなければなりません。生活保護は本人の請求にもとづき、個人を単位として無差別・平等に保障され、調査や指導・指示は本人の同意なしに行ってはなりません。 | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                              〈3〉 | 
                                              児童手当と児童扶養手当は所得制限なしにすべての子に高校卒業まで保障され、プライバシー(個人の生活を守る権利)を侵害してはなりません。 
                                               | 
                                             
                                           
                                         | 
                                       
                                     
                                   | 
                                
                                 
                                  |  
                                    
                                   | 
                                
                                 
                                   
                                    
                                       
                                        | 3.健康と医療の権利 | 
                                       
                                       
                                        だれもが、いつでも、どこでも、病気やケガから守られ、最高水準の医療と健康を求める権利があります。 
                                           
                                          
                                             
                                              | (1) | 
                                               
                                                 予防・治療・リハビリテーション・介護などの総合的な保健・医療制度を確立し、費用負担の心配なく、必要で十分な保健・医療を受ける権利が保障されなければなりません。食品の安全や公害対策、流行病の防止などが確立されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (2) | 
                                               
                                                 各制度ごとに、次の原則を確立すること。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                           
                                          
                                             
                                               | 
                                              〈1〉 | 
                                              高齢者や障害者、子どもの医療と難病、結核・精神保健は、医療保険とのセットでなく、全額公費負担でなければなりません。 | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                              〈2〉 | 
                                              国民健康保険などの医療保険は、無差別・平等に保険給付が保障され、保険証の未交付や「資格証明書」などは直ちに廃止されなければなりません。最低生活費から保険料・税をとってはなりません。 | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                              〈3〉 | 
                                              公費負担医療でも医療保険でも、予防・治療、リハビリが保障され、治療中の生活費も保障されなければなりません。 | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                              〈4〉 | 
                                              介護の費用は、全額、公費負担で、必要な水準の額が、本人に給付されなければなりません。 | 
                                             
                                           
                                         | 
                                       
                                     
                                   | 
                                
                                 
                                  |  
                                    
                                   | 
                                
                                 
                                   
                                    
                                       
                                        | 4.税金の生活費の非課税と自主申告の権利 | 
                                       
                                       
                                        税金は直接税、間接税とも生活費に課税してはなりません。また、その使い道は福祉など国民生活につかわれなければなりません。 
                                           
                                          
                                             
                                              | (1) | 
                                               
                                                 低所得者・高齢者ほど負担が重い消賓税は廃止されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (2) | 
                                               
                                                 所得と税額は自分で決める権利があり、自主申告は住民税でも厳守されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (3) | 
                                               
                                                 住民税・所得税や国定資産税などの税金、国民健康保険料・税などの社会保険料、保育料などの負担は生活費にくいこんで徴収してはならず、また減免制度が拡充されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (4) | 
                                               
                                                 税金は所得の高い人と不労所得に重く、所得の低い人や勤労所得には軽くなくてはなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (5) | 
                                              税金は、国会・地方議会で決める租税法律(条例)主義が厳守され、国民・住民の意思を十分に反映しなければなりません。 | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (6) | 
                                              税務行政では不当な推計課税や事後調査をやめ、収支内訳表を廃止するなど人間の尊厳を守るものでなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                           
                                         | 
                                       
                                     
                                   | 
                                
                                 
                                  |  
                                    
                                   | 
                                
                                 
                                   
                                    
                                       
                                        | 5.子どもの発達する権利 | 
                                       
                                       
                                        すべての子どもは、人間として尊ばれ、心身ともにすこやかに生まれ、のびのびと成長し、発達する権利があります。安全で健全を環境のなかで育てられ、平和で民主的な教育が保障されなければなりません。 
                                           
                                          
                                             
                                              | (1) | 
                                               
                                                 出産の費用や保育をふくむ養育の費用は、父母負担なしの社会保障制度で完全に保障されなければなりません。義務教育は、授業料や教科書だけでなく、すべての費用が親の所得に関係なく、無償でなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (2) | 
                                               
                                                 高校は、準義務教育制とし、希望者全員の入学が保障されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (3) | 
                                               
                                                 就学援助は予算にかかわりなく、希望者に対して所得基準にもとづいて給付されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (4) | 
                                               
                                                 どの子にも基礎的な学力と体力、自立的判断力などが身につくように学級人数を少なくし、生活態度まで点数化したり、「日の丸」「君が代」を義務づける新学習指導要領は廃止されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (5) | 
                                              高校・大学には、給付制による奨学金制度を充実・確立し、私学の負担は国公立なみに是正されなければなりません。 | 
                                             
                                           
                                         | 
                                       
                                     
                                   | 
                                
                                 
                                  |  
                                    
                                   | 
                                
                                 
                                   
                                    
                                       
                                        | 6.住居と環境の権利 | 
                                       
                                       
                                        だれもが、健康的で安い住宅と安全な環境のなかで住みつづける権利があります。 
                                           
                                          
                                             
                                              | (1) | 
                                               
                                                 肴望者全員が入居できる低家賃で良質の公共住宅が保障され、また、減免制度が拡充されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (2) | 
                                               
                                                 低所得者には、民間家賃補助が保障され、不当な家賃値上げや立退きは規制されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (3) | 
                                               
                                                 社会生活に必要な住宅や在宅福祉の施設、医療機関や保健所、学校や図書館、遊び場や公園、スポーツ施設、広域にわたる交通網などは公的責任で確立され、民主的に管理・運営されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (4) | 
                                               
                                                 生活環境は、だれもが安心して住み、生活できるように、交通安全対策や自然・環境への保護が十分に保障されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                           
                                          
                                         | 
                                       
                                     
                                   | 
                                
                                 
                                  |  
                                    
                                   | 
                                
                                 
                                   
                                    
                                       
                                        | 7.文化活動やレクリエーションの権利 | 
                                       
                                       
                                        だれもが、健全な文化活動やレクリエーション、スポーッをおこない、楽しむ権利があります。 
                                           
                                          
                                             
                                              | (1) | 
                                               
                                                 自主的で民主的な文化活動やレクリエーション、スポーツ活動が十分にできるように労働時間の短縮などがおこなわなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (2) | 
                                               
                                                 だれもが、いつでも、どこでも、無料か、安い料金で、利用できる制度や施設などが確立されなければなりません。 
                                                 
                                               | 
                                             
                                           
                                         | 
                                       
                                     
                                   | 
                                
                                 
                                  |  
                                    
                                   | 
                                
                                 
                                   
                                    
                                       
                                        | 8.平和に生きる権利 | 
                                       
                                       
                                        日本国憲法は「国民は平和のうちに生存する権利を有する」と明記しています。解釈上も条文上も憲法の改悪は許されません。平和と民主主義をおびやかし、軍国主義の復活・強化につながるいっさいの策動は排除されなければなりません。 
                                           
                                          
                                             
                                              | (1) | 
                                               
                                                 日米安保条約は廃棄し、米軍基地を撤去、自衛隊は解散し、基地による被害は完全に補償されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (2) | 
                                               
                                                 核兵器の廃棄は緊急に実現されなければなりません。そのために国際協定が結ばれなくてはなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (3) | 
                                               
                                                 軍備拡張、自衛隊の海外派兵はいかなる名目でも許されず、国際貢献は非軍事的でなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (4) | 
                                               
                                                 第2次世界大戦の侵略戦争の責任を明確にし、被爆者への補償(被爆者援護法の制定)とアジア諸国・国民への十分な補償が国の責任と負担でおこなわれなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                           
                                         | 
                                       
                                     
                                   | 
                                
                                 
                                  |  
                                    
                                   | 
                                
                                 
                                   
                                    
                                       
                                        | 9.地方自治の権利 | 
                                       
                                       
                                        住民には、住民の手による住民のための地方自治を要求する権利があり、国にはそれを保障する義務があります。 
                                           
                                          
                                             
                                              | (1) | 
                                               
                                                 生存権保障制度は、実施責任を担(にな)う自治体の自らの判断と責任で自主的、民主的に運営されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (2) | 
                                               
                                                 地方自治体を国の下請機関にする地方「行革」は、中止されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (3) | 
                                               
                                                 住民の権利・利益を守るためには、申請手続きと認定基準、不利益処分には具体的な基準が明定されなければなりません。 
                                                 
                                               | 
                                             
                                           
                                         | 
                                       
                                     
                                   | 
                                
                                 
                                  |  
                                    
                                   | 
                                
                                 
                                   
                                    
                                       
                                        | 10.権利行使と運動する権利 | 
                                       
                                       
                                        すべての人びとが、生存権をはじめとする基本的人権にもとづく権利を行使することができます。 
                                           
                                          
                                             
                                              | (1) | 
                                               
                                                 制度制定へのすべての人びとの参加権や受ける権利と請求する権利は具体的に明定し、保障されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (2) | 
                                               
                                                 審査請求や異義申し立て、裁判など争う権利には、だれもがたやすく行使できるように手続きの簡素化、裁判費用の保障を含めて改善されなければなりません。行政不服審査など審査機関には、生活と健康を守る会の代表を含め、行政から独立した第三者機関によっておこなわれなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                             
                                               | 
                                               | 
                                             
                                             
                                              | (3) | 
                                               
                                                 「生活と健康を守る会」など民主団体には労働者の労働基本権と同じように団結権や団体行動権とともに、裁判所の判決(1972年8月29日・鳥取地裁)でも明らかなように、自治体や国との団体交渉権が完全に保障されなければなりません。 
                                               | 
                                             
                                           
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